くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町
読後、涙が止まらない。路線図には載っていないその駅で、二度と会えないはずの人が待っている——
著者:高橋由太
千葉県内を走るローカル線、久留里線。その車内にはときどき、白黒の猫が乗っている。猫が降りるのは、路線図には載っていない「くるり駅」。誘われるように猫についていくと、改札を抜けた先にあるどこか懐かしい町に、もう二度と会えないはずの大切な人が待っていて……。初恋の人、最愛の母親、大好きな飼い主——悲しい別れから立ち直れずにいる主人公たちの心の再生を描く、連作短編集。